お待たせいたしました!

議会が終了し、予算案が承認されました。
これでようやく事業に着手です。

まずは、事業の内容の説明をさせていただきます。

図書情報館で所蔵している奈良県行政文書は、明治期以降の県の歴史や県政の足跡を知る上で、特に重要な資料であり、次世代に引き継がなければならない文化遺産と言えます。
平成21年3月には、その資料的価値や重要性が認められ、県指定文化財に指定されました。
指定対象となった文書は、明治期・大正期の行政文書をあわせて、6,695点あります。

なかでも社寺関係(寺院・神社の明細帳・神社祭神調・社寺一件など)の簿冊が多く、国宝修理関係、御陵・古墳関係、旧所明跡関係、農会・産業組合関係なども比較的まとまっています。他に、鉄道関係、銀行関係、教会関係、宗教法人関係、町村関係(町村制・町村財産・町村吏員など)、旧幕関係などの簿冊も所蔵しており、内容は多岐にわたっています。
また、全国的にも例の少ない郡役所文書が2,000点以上伝わることも、本県の特色です。

しかしながら、これらの中には、青焼きの原図、こんにゃく版の文書等、質の悪い用紙を使用していることにより、資料の劣化が進み、早急な保存対策が必要になっている簿冊があります。

このたび、財団法人図書館振興財団から助成金をいただき、当行政文書のデジタル化を実施させていただくことになりました。
デジタル化により代替資料を作成することによって、原資料の保存と劣化防止を図り、一方で、目録を整備し、デジタル資料をインターネットに公開することにより、地方からのデジタル・アーカイブを推進しようと考えています。

県指定文化財に指定されたことを記念して、図書情報館で企画展をおこないましたので、紹介しておきます。